前回、コードバンのアイテムを紹介した流れで、今回もコードバンのアイテムを私物の中から紹介します。
【前回記事】たぶん一生手放さないであろうカバン。ガンゾのシェルコードバン・トートバッグ。(GANZO銀座店・限定受注生産)
今回はズバリ、
パラブーツ(Paraboot)の定番人気Uチップシューズ、「アヴィニョン」。
の、コードバン バージョン。
アルピニスト向けに登山靴を製造してきたルーツをもつパラブーツが、水に弱く、傷もつきやすい素材として有名なコードバンをアッパーに使用するという「なにやってんだ シューズ」です。
では、さっそくレビューしていきます。
パラブーツのアヴィニョン(シェルコードバン)
新品で購入した際に 記念(?)として写真をパシャパシャと撮りましたが、コードバンのアイテムは どのようなエイジングをするのかを参考にされたい方も多いことから、本稿の写真は新品時の写真ではなく、すべて今現在(2022年7月現在)の写真を掲載することにします。
とか言ってみたものの、
購入してからまだわずか10カ月しか経過しておらず、着用回数も16回と少ないため、状態は新品時とさほど変わりません。
ということで、エイジングもほとんど進んでおらず。
つまり、ほとんど参考にならないです、すいません。
まずは、実物の写真をご覧ください。
こちらが、まだまだ ひよっこ状態のシェルコードバン仕様のパラブーツ・アヴィニョンです。
ね。
ほとんどエイジングは進んでいません。
アッパーにコードバン特有のウネウネのしわが入ってはいるものの、まだまだ中途半端な状態。
中途半端に年を重ねたタモリ氏の昔の写真を見て、なんだかモヤモヤした感情が湧いてくることに似ています。
ふむ。
タモさんのように、素敵なエイジングを目指したいものです。
このパラブーツの「アヴィニョン」はUチップのバランスがとても綺麗で、私にとってはオンにもオフにも使える素晴らしい靴です。
コードバンなので素材の光沢感も相まって 少しドレッシーなスタイリングにもハマるのが嬉しいところ。
反して、横から見るとボリュームもあり、無骨な印象も併せ持っています。
この”無骨さ”は やはり、ノルウェイジャン製法 と ボリュームのあるオリジナルのソールによるものでしょう。
ノルウェイジャン製法では、ストームウェルトを使用して2本の縫い目が見えるため、コバにボリュームがうまれます。
これがドレッシーさと男っぽさを「いいとこどり」することができる理由です。
続いてソール。
ソールはパラブーツのオリジナルです。
パラブーツは自社でソールの製造まで行っている数少ないブランドとしても有名ですが、このアヴィニョンには「グリフⅡ」というオリジナルソールが採用されています。
「グリフⅡ」はパラブーツの中では比較的 薄めのソールですが、それでも適度なボリューム感があり、見た目にもバランスが取れています。
パラブーツではお馴染みのグリーンのブランドロゴ、アヴィニョンでの位置はココ。
↓
目立つ場所に付いているわけではないので、短丈のボトムスを履かない限り 着用時にタグは見えません。
特に困ってもいないため、気にはしていません。
ライニングにはナチュラルカラーの牛革が使われています。
素材について(ホーウィン社のシェルコードバン)
続いて、アッパーの素材について。
このアヴィニョンに使われているコードバンは、ホーウィン社(米国)のシェルコードバン。
オールデンでも有名な”あの”タンナーです。
前回の記事同様、ホーウィン社については割愛しますが、ウネウネと波打つ皺と独特の光沢感が特徴です。
「光沢感のある黒色」といえば誰もが 恐怖のゴ●ブリちゃんを想像しますが、ホーウィン社のシェルコードバン(黒色)も彼らに負けず劣らずの強烈なパワーを持っています。
シェルコードバンのイメージを下げてしまうようなことを書いてしまいましたが、実際には心の底から大いに褒めています。
(だったら変なこと言うな。)
まとめ
まとめです。
今回は私物の中からパラブーツの「アヴィニョン(シェルコードバン仕様)」を紹介しました。
水に弱いコードバンの靴なので天気の良い日にしか履くことがなく、月に1~2回程度しか活躍の機会がありません。
パラブーツという アウトドアシーンにも屈することなく使えるブランドの靴のくせに、雨に弱いとはいったいどうすればいいのだ?
と、大きな大きな疑問が残るものの、
「トヨタのランドクルーザー」や「メルセデス・ベンツのゲレンデ」といったオフロード車種を大都会で運転することにも似た矛盾を感じざるをえません。
つまりは、
シンプルに楽しめば良いのでしょうね。
あとがき
さてさて。
非常に個人的な話で恐縮ですが、ブログを書き始めて約10カ月が経過しました。
ブログを始めた理由のひとつとして、「太ったために今まで所有していた靴がキツキツになってしまい、パラブーツを一気に8足買い替えたこと」が挙げられます。
【参考記事】太ったから靴を買い替えた話。パラブーツ8足祭り。
買い替えた8足のうち、7足のパラブーツについてはすでにブログで紹介済みで、本稿のコードバン仕様のアヴィニョンを紹介したことで8足すべてについて書き終えたことになります。
8足それぞれに良さがあり、思い入れや文句(!)もあり、そのあたりも含めてフラットなレビューを書いてきたつもりです。
この8足をずっと所有しているかは分かりませんし、もっともっと太って(=ダメ)また全部を買い替えることになるかもしれませんが、いずれにしてもブログを始めるきっかけにもなった8足には感謝しています。
これからも独断と偏見にまみれた雑記だらけの「行け行け、私物くん!」をどうぞ宜しくお願いいたします。
【関連記事】
・黒猫のような靴。パラブーツのクリュサ(スエード)。
・気を遣わなくても自然体でいられる相棒。パラブーツの外羽根ストレートチップ、アゼイ。
・海の顔と山の顔、ふたつの顔を持つパラブーツのシメイ。
・「ヴィ」な話。パラブーツのアヴィニョン(グレインレザー)。
・タイトフィット卿(狂)はもう辞めた。パラブーツ、ウィリアムのフィッテイングに苦しんだ自分史。
・モノの名前は正確に覚えなければいけない。パラブーツのアヴィニョン(エルメネジルド・ゼニア 別注モデル)。
・街履きにもOK。山履きにもOK。マウンテンブーツ顔の短靴、パラブーツのクリュサ。(Paraboot / CLUSAZ)
スペック
- ブランド:Paraboot(パラブーツ)
- モデル名:AVIGNON(アヴィニョン)
- 型番 :145521
- カラー :NOIR(ブラック)
- アッパー:シェルコードバン(米・ホーウィン社)
- ソール :GRIFF Ⅱ SOLE(ゴム底)
- 製法 :ノルウェイジャン製法
- 原産国 :フランス
- 価格 :120,000JPY(plus tax)