本気のオモチャ時計。スウォッチ×オメガのスピードマスター、ムーンスウォッチ。

2022年4月15日

(MOON SWATCH Mission to the Sun)SO33J100

11種類もの類似商品の中から、どれか1つだけ気に入った商品を選択しなければいけないとき、皆さんなら何にポイントを絞って選考しますか。

クレープ屋の前でメニューの看板を見つめ、どのクレープを注文しようか迷うときのようなもので、なかなかすぐには決められません。


まずは絶対に選ばないものを除外します(アーモンドアレルギーの人はアーモンド入りのクレープを選択しません)

または、連続性を避けます(3日連続でバナナクレープを注文した人はそろそろ別の何かを注文するタイミングでしょう)

もしくは、自分の好みのモノを瞬時に3つぐらいに絞る人もいます(「イチゴクレープ」「イチゴチョコクレープ」「イチゴカスタードクレープ」のように)

そして その中からその時の気分で選考をより深く進めていきます(チョコの気分!よし「イチゴチョコクレープ」にしよう)

こういった「選択のプロセス」は自己分析してみると面白く、ある一定の傾向や法則があったりするものです。

私もたいていの場合は上記のような選択のプロセスを辿たどるのですが、たまに何も考えることなく 決め打ちで「コレ!」と選抜できることがあります。


11種類のスウォッチ×オメガのスピードマスター・ムーンスウォッチ。
(画像)Swatch公式HPより加工

スウォッチ(Swatch)とオメガ(OMEGA)によるジョークのように爽快なコラボレーション時計(モデルはオメガスピードマスター)は全11種類ものデザインがラインナップされており、

今回は、この中から自分に最良の1本を選択しなければいけないという問題にぶち当たりました。
(無論、お金とコネがあれば全種類を簡単に揃えられます。)

「これはきっと悩むぞ…」と思っていましたが、いざ頭の中で選考を進めていくと10秒で決まりました

今回の選択に限っては ほとんど一切悩まなかったわけです。

ムーン・スウォッチのMission to the Sun(SO33J100)

10秒考えたのち、11本の中から私が選択した1本は「Mission to the Sun」(SO33J100)

「太陽」をモチーフにしたムーン・スウォッチです。

Swatch×OMEGA / Speedmaster MOON SWATCH Mission to the Sun(SO33J100)

Sun(太陽)を選んだ理由

11種類の時計のデザインベースになっているのはオメガのクロノグラフ時計である「スピードマスター」。

人類が初めて月面着陸した際に着用されていた時計としてあまりにも有名なこの時計は、「ムーンウォッチ」の愛称で親しまれているオメガの看板アイテムです。
(グリコのポッキー、明治の板チョコ、それぐらいの看板アイテム。)

オメガ / スピードマスター(310.30.42.50.01.001)
(画像)OMEGA公式HPより

今回のコレクションは、オメガとスウォッチが共同でこのムーンウォッチを新たにデザインしてリリースしたわけですが、なぜ11種類もラインナップがあるのかというと それぞれのデザイン(特にカラー)に太陽系の天体がフューチャーされているからです。

「太陽」「水星」「金星」「地球」「月」「火星」「木星」「土星」「天王星」「海王星」「冥王星」の11種類がラインナップ。

(画像)Swatch公式HPより

この中から私が「太陽」を選んだ理由は、

ずばり。

太陽が恒星こうせいだからです。

11種のうち、「太陽」と「月」は、その他の9種とは異なる点があります。
(時計の機能違いという意味ではないです。)

太陽  ⇒ 恒星
月   ⇒ 衛星
他9種  ⇒ 惑星

11本中、9本は惑星。
残る2本が、恒星と衛星。

なるほど、なるほど。

じゃあ恒星にしよう!

これだけです、私が「Mission to the Sun」(太陽)を選択した理由は。

小学校の復習のようで気が滅入りますが、以下に念のために書いておきます。

恒星:自ら光を放つ天体
惑星:恒星の周りを回る天体
衛星:惑星の周りを回る天体

です。


11種の中で唯一、自ら発光する天体をモチーフにしている「Sun(太陽)」。
(時計本体が自ら発光するわけではないヨ。)

普段はこんなC.C.レモンみたいな色の時計を選ぶことはまずないのですが、

今回はカラーどうのこうのは一切無視して、「唯一の恒星だから」という理由だけで選びました。

今まで持っていなかった いわゆる「色モノ」のカラー時計ですが、時にはサラッと着けてみるのも悪くないかもしれません。

C.C.レモンを彷彿とさせるカラー。
Mission to the Lemon…。

加筆しておくと、11種中、唯一の衛星である「Moon(月)」を選択しなかった理由は ムーンウォッチ(=オメガ本家のスピードマスター)をすでに所有しているからです。

わざわざ いりません。

ですが、「ムーン(Mission to the Moon)」のデザインは最もオリジナルに近いため、違和感も少なくかっこいいです。

MOON SWATCHはオモチャ

さて、ここからはいよいよ実機について。

まず、いの一番に 声を大にして言いたいこと。

《 オモチャ時計です! 》

OMEGAの名が冠してあるのでどうしても勘違いしてしまうのですが、実機を見て、触ると、分かります。オモチャです(二度目)。

ただし これは悪い意味ではなく、「手軽に楽しめる時計」という前向きな意味合いとして解釈することができるもの。

大の大人(しかもグローバル大企業2社)が必死になって商品化したわけです、オモチャと言えど、それなりのなにか・・・を感じることはできるでしょう。

フェイス

まずはフェイス。

第一印象は「黄色い!」(そのまま)。

サンレイ仕上げのフェイスで、光の当たり加減でキラキラと反射するデザインです。

ポップなイエローが目をひくデザイン。

12時位置に「OMEGA×SWATCH」のロゴ、9時位置に「Speedmaster」ロゴ、3時位置に「MOONSWATCH」ロゴがそれぞれデザインされています。

ごちゃごちゃしていますがそれがオモチャっぽくて良い

「MOONSWATCH」(ムーン・スウォッチ)のロゴはSだけ赤文字になっています。

オメガ本家の「ムーンウォッチ」の愛称を基に、MOONの複数形であるMOONS(「星々」みたいなニュアンスで、11種の星を意味しているっぽい)Swatchのイニシャル「S」を重ねたファッショナブルなダジャレだと思われます。

「MOONSWATCH」をパッと見で英語読みすると「ムーンズウォッチ」となりますが、元ネタである「ムーンウォッチ」をうまくひねり、かつ「スウォッチ」というブランド名にも重ねるという離れ業をやってのけています。

「布団が吹っ飛んだ」とか「梅はうめぇ」なんかでは到底太刀打たちうちできないレベルのダジャレです。


フェイスの中央(ど真ん中)にはSwatchの頭文字である「S」の透かし文字を見ることができます。

サイズにして1mm弱ほどの文字で、普段はまず見えません。

本家のオメガ・スピードマスターでは、ここにオメガマーク(「Ω」)が入っていますが、今回はスウォッチの「S」です。
(「すごい!」のSではありません。)

スマートフォンのカメラではとてもじゃないですが映り込まないため、この写真だけ一眼レフで撮りました。

見づらいですが針が重なり合うフェイスの中心部分に「S」の透かし文字が入っています。

風防は本家のスピードマスター同様、ドーム形状。

ぷっくりしていてレトロで可愛いです。

お!ここにも「S」の透かし文字が映り込んでいました!
本当に小さい。

ケース

ケースはバイオセラミックという素材。

3分の2がセラミック、残り3分の1がバイオ由来のプラスチック、というもの。

とても軽いのが特徴で この時計も総重量が約30gしかありません。

腕時計を1日中ずっと腕につけていると意外と疲れてしまうものですが、この時計は疲れません(本当に)。

その反面、衝撃には弱いもよう。

本機を触っていても感じることですが、たしかに どこかにぶつけるとすぐに壊れそうです。

頼りなさは「野比のび太」レベルです。

そういえば彼もこんな色の服を着ていますね(関係なし)。

のび太カラーのバイオセラミックケース。

リューズ側もすべてバイオセラミック素材。

サイドビュー。

リューズにはオメガとスウォッチのコラボロゴ(Ω×S)がデザインされています。

可愛いコラボレーションのロゴ。

ケース裏面も同色のイエローです。派手。

「MISSION TO THE SUN」の文字と共に太陽の天体イラストも描かれています。

裏面。

この太陽イラストの丸い部分は電池が入っている部分。

この時計はクォーツ時計なので駆動は電池です。

電池寿命は概ね2~3年ぐらいでしょう。

この太陽部分をこじ開けて電池交換をする。
傷が付くことは避けられないでしょうが気にしません。

ストラップベルト

この時計の中で最も気に入っていない・・・のがベルトです。

・大きく書かれたロゴ
・安っぽい素材
・ベルクロ(マジックテープ)のビジビジ音

と3拍子揃っています。

酷評3拍子のベルト。

しかし、見方を変えれば感じ方も変わってくるものです。

デカデカと大げさに書かれたロゴは個人的には好みではないものの、ポップでシャレたデザインだと捉えることもできます(=チープなのがクール)。

安っぽい素材感も脱着時のベルクロ(マジックテープ)のビジビジ鳴る音も、「オモチャ時計」と割り切ってしまえばあまり気になりません。

マクドナルドのハンバーガーに誰しもが高級感を期待をしていない・・・のと同じで、「こんなもんだよね」と捉えてしまえば、それはそれでまるっと収まるものですね。

ベルトの脱着はマジックテープ。
知らぬ間に糸くずやらなんやらが引っ付いてしまうのが特徴です。
ベルトを通すカンはケース素材と同じもの。
ここも何かにぶつけるとブッ壊れそうです。

着用と着用シーン

さて、時計を着用してみましょう。

こんな感じです。
(モデルはマネキン君です。)

ジャン!!

どうです、このオモチャ感!

この写真からも察していただける通り、決してスーツなんかに合わせてはいけません。浮きます。

利用シーンとしては、Tシャツに合わせるのが最もおさまりが良い気がしますが、耐久性のある時計ではないため 海や川でジャブジャブやってしまったら最後。きっと壊れます。

モデル名である「Mission to the Sun(=太陽への任務)」には遠く及ばない耐久性ですが、そのあたりはご愛嬌ということなのでしょう。

ちなみに、「サン」にも(たぶん)弱いので、酸をともなうミッションにも不向きです。

耐久性の「た」の字もないような時計なので、いったい何のミッションに向いているのでしょうか。

これぞ、「ミッション:インポッシブル」です。

お!

箱と付属品

箱はこのような紙製のもの。

コンパクトなペーパーボックス。

ボックスには太陽のスペック(「15,000,000℃ですよ」とか)が書かれていたり、ボックスカラーを時計の本体カラーと統一させていたり、ワクワクする要素が詰まっています。

パッケージデザインの良し悪しは時計本体とは何の関係もないものですが、こだわりを感じられるのは嬉しいポイントですね。

入っているモノ、全部。
取扱説明書は新聞紙のようなぺらぺらな素材の紙です。
この宇宙飛行士くんは付属していません。

まとめ

今回は、スウォッチとオメガによるコラボ時計、

ムーン スウォッチ・スピードマスターの「ミッション・トゥ・ザ・サン」を紹介しました。

11種類もの新鮮なデザインのスピードマスターが同時にリリースされたことで、新しい味のドーナツがミスタードーナツのラインナップに加わったときのような気分になりました。

期待していたよりもオモチャ感が強く、この時計を「良い/悪い」で判断するのは難しいですが、好き嫌いの賛否が分かれるのは間違いないでしょう。

(私は嫌いではないです。好きでもないですが。どっちだ。)


本体のポップさに相まって ベルトのロークオリティさも際立ってしまうのが少々残念ではあるものの、これはベルトを交換すれば解決する問題なので目をつぶります(何も見えない…)

本家のオメガ・スピードマスターと比べると全くの別物であると考えるべきで、もはやある種のウケ狙い時計という立ち位置です。

本家と並べてみると、クオリティの差は歴然ですが、それはそれ

たまには肩の力を抜いて、サラッと楽しむのもおもむきがあるものですね。

執行役員と平社員ぐらいの見た目の差。
しかし
役職で人間性が計れないのと同様に、どちらにもどちらの良さがあります。

(※オメガのスピードマスターについては また別の機会に書きます。)


また、

話題作りやファン層を広げることもブランドにとっては非常に大切なミッションであり、

スウォッチとオメガ 両ブランドにとって、コラボモデルをリリースしたことにどのような意図があったのかを考えるのも面白いです。

それでは、今回はこのあたりで。

太陽まで行ってきます。

さらば。

スペック

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